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しかし、今日は透子が一緒だ。
いつもは涼しい筈のこの道が、今日はやけに顔が熱く、落ち着かなかった。
葉が一斉にざわめく様が、大勢にひそひそ話をされているようにさえ聞こえる。
その木々のざわめきが、自分の罪を見破り噂しているようで変にそわそわする。
しかし、それでも柚奈は自分がにやけていないか心配で、出来るだけ透子と顔を合わせないようにして帰ろうと決めた。
「そういえばさ、柚奈」
「何?」
呼ばれて、ふと顔を合わせてしまう。
決意は驚くほど脆く早くに崩れた。
その事実に目が合ってから気づき、途端に恥ずかしくなって、柚奈は取り繕うためにパタパタと顔を一生懸命扇ぐ。
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