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俺は負け犬だ…って嘆いてるそこの君。
私は駄目な人間なの…って打ちひしがれてるあなた。
そんなことはない。
全然そんなことはない。
もっと胸を張れ!!
だって、君もあなたも生まれてきたんだもん。
生まれてきたって事実ひとつあれば、それは誰に恥じることもない立派な勝利なんだ。
気休めでこんなこと言ってるんじゃないぜ。
もう一度言ってやるぜ。
生まれてきただけで勝者なんだよ俺たち。
知ってるか?
ママとダディが愛し合って、精子が解き放たれる。
その数は二億以上だ!!
ゴールである子宮目指して、究極のバトルが繰り広げられる。
卵子と出会い、子宮に辿りつけるのは一人。
双子の私たちはどう説明すんのよ?だと?
細いこと言うんじゃねぇ!
とにかくだ!生まれるための過酷なレースを勝ち抜いたからこそ、今の我々がいるんだ。
言うなれば、君も俺も二億の屍を乗り越えて生まれてきたんだよ。
確かに、やっと生まれてきたってのに、人生は辛いことばかりさ。でもな、君や俺の後ろには二億の同胞がいるんだ。
俺たちは二億の命を奪って生まれてきたんだぜ?。
まだまだ何かできるだろう?
まだまだあがいてみようぜ?
疲れたら休んでから先に進めばいい。
俺たちの命は二億の屍の上に成り立っている。
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