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「ホントにあるのかよ、そんなこと。」 俺は金村にそう尋ねた。 「当たり前だろ。そうじゃなきゃ誰がこんな、真夜中の終電に誰もいない車両見付けて乗んなきゃなんないんだよ。」 「いやでも、やっぱり信じられないよ。明日俺達が死ぬ?そんなわけがないじゃないか。」 「まぁ…無理ないわな。でもこれは運命なんだ、抗えないんだよ」 「…お前がそこまで信じる根拠ってなんなの?」 「根拠はな、世界に数ある古代の予言書が明日、いや今から15分後の2012年12月22日以降存在しないんだ」 「成る程。でも信じられるわけないよ。金村がネットで見た、明日宇宙に存在する巨大な帯状の光、フォトンベルトに地球が入って人類は滅亡する、なんて」 「まぁ待て。他にも根拠はあるんだ、俺の知り合いに高名な気孔師がいるんだが、その人も予言した。2012年12月22日に何かがあるって。」 「うーん、その人もフォトンベルトのこと知ってたんじゃないの?お前みたいに」 「いや、その人は知らなかったんだ。予言を俺が聞いた後に俺が教えたのが初耳らしい」 「すごいなそれ」 「その人はブラックベルトって名付けてたみたいだけどな」 「ベルトが被ってんじゃん。その人も帯状って分かってたんだな」 「その人は、感じる…。って言ってた」 「それは根拠があるのかないのか…。それより知り合いって何で知り合ったんだんだよ」 「それは言わない」 「絶対嘘だ…」 「嘘じゃねえよ」 「じゃあさ、気孔師と似たジャンルの有名なシエ原さんは?そんな事言ってなかったぞ」 「シエ原は紛い者だもん。ただの嘘つきだよあいつ。知り合いのその人がこう言ってたぜ。オーラに色なんかねぇよ!ホント俺らの名前汚すの止めてくれ…ってな」 「ふーん。じゃあ細本さんは?」 「あの人は統計学だもん。占いとかとは違う」 「ふーん…」 「根拠はまだあるぜ。地球温暖化あるじゃんか。あれ、原因地球にフォトンベルトが接近してるからなんだぜ」 「え?何言ってるの。温暖化の原因二酸化炭素。常識でしょ。あとメタンもか」 「何にも知らないなお前。地球温暖化の原因が二酸化炭素なんて科学的根拠は全くないんだぜ」 「そうなの!?じゃなんで国連とかは二酸化炭素削減とか言うの?」
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