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「くそっ!まだ10周しか出来てねぇ!開けられないようにドアを押さえとけよ!」 「分かってる!」 『オイ!なんだよ!なんで閉めるんだよ!!コラァ!開けろぉ!!』 ドカッ!ドカッ! 「やばい。そうとうイカれてるなこいつ。ドアが壊れそうだ…」 「いくらドアを蹴っても電車のドアが壊れるもんかよ!開けられないように押さえとけよ!」 「金村も押さえろ!もう50周くらい巻いただろ!十分だろ!」 「いや…もうこれだけ巻いたんだから離しても大丈夫じゃないか!?」 『開けろよコラァ!ボケが!』 ガンッ!ガンッ! 「違うよ!ドアが壊れないように前から押さえろよ!万が一壊れたらどうする!」 「…待て。向こうの様子が」 「…蹴ってこなくなったな。どうなってるんだ」 『ハァ…ハァ……』 「仰向けで倒れてるぜ」 「これは終わったな」 「あ…動きが完全に止まったて…死んだ…」 「…金村、やっぱり助けた方が…」 「そんなわけないだろが。…見ただろ、アイツ、外に出たらじゃなくて、窓を開けた瞬間狂い始めた。まだ窓は三分の一程度しか開いてないのに。…つまり。外とダイレクトに空間が繋がったらアウトって事だ。もしドアを開けていたら、その瞬間ジ・エンドだった」 「ならあの人がドアを開ける前に呼び掛けたら良かったじゃないか!」 「もし電車の接合部分のカバーに亀裂でもあったらどうする!だいたいお前も賛成してたじゃないか!今更何言ってるんだ」 「…そうだな。すまない」 「それよりだ。目立たないようにろうそく、消しておくぞ。それとガムテープ、まだ終わってなかっただろ。」 「そうだった。あと一箇所あったんだっけ」 「ちゃんとやっとけよ」 「…なあ金村。」 「ん?」 「外はやっぱりアウトだった。しかもこの電車だって完全な密閉じゃない。俺達もいつかああなる。…どうすんのさ?」
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