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だからこれまで、一つ所に長く居るのは避けてきた。この池からも、すぐに去るつもりであった。
そこで祖父に逢った。
最初は、単純に心配していただけだった。ところが、祖父に想われた。自分もまた、自分と同じく家族を亡くした祖父を、想ってしまった。このままここに居たい。もしかしたら、今度は雨が追って来ないかもしれない。そんな希望を抱いてしまった。
しかし、雨は来た。
このままとどまれば、ここも生まれた所の様になってしまう。それで悲しい思いをした女は、それだけは避けたかったのである。
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