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風は、春一番と共に俺の所にやってきた。
それからというもの、俺と風はずっと一緒にいた。幼稚園に行くときも、小学校に行くときも。
小学校の頃はもちろん友達はたくさんいた。しかし、家に帰れば俺と風しかいなくなる。
俺と風の家は隣同士だった。でも街からかなり離れていたため友達はなかなか遊びに来なかった。
だから遊び相手はいつも風一人だった。
けど、寂しくなかった。
風が俺の指を握ってくれるから。
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