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そちらに目をやると
まわりのクラスメイトは
「ちぃす」と
頭をさげる男子がいたり
クラスの女子は
その男を見て
キャアキャアと奇声を上げる子もいた
憧れの眼差しで
その男を見ると同時に、
益々(ますます)冷たい視線が
あたしに注がれた
『お、かわいぃじゃん!
どっから来たぁ?
彼氏もぅ出来た?』
その男は
長めの前髪に
キツク見えがちな顔とは裏腹に
笑顔がとても可愛らしかった
『沖縄です
彼氏はいませんよ
仲良くして下さい』
あたしは
そう言って唇を舐めて笑った
『仲良くする!携帯出して』
そう言うと
携帯を差し出したと同時に
赤外線通信をした
『後でメルして!
俺、祐希(ゆうき)ね』
授業のチャイムが
丁度よく鳴る中そう言い残し
祐希は
走って教室を出ていった
ネームバッヂの色が赤だったから
同学年ではないのだろう
あたしは携帯を開き
名前編集をした
友1〔ゆうき〕
そう打ち終わると同時に
教室の後ろのドアが勢いよく開き
2人の男女が仲良く入ってきた
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