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ちいさい頃
夢も想い出も全部しまっておけると思っていた頃
貝殻 あめ玉 千切れた釦
全部ポケットに入っていた
貴方も私も笑っていて
手を繋げば優しさが通うと思えていた頃
小石 ビー玉 蝉の脱け殻
見付けては大事にしまっておいた
ポケットは宝箱で
なくしたものも出てくる魔法がかかってた
きみとさよならして
独りで歩き出した頃
定期 財布 携帯電話
ポケットには現実が詰まってた
私を縛るものばかり入ってた
花弁 枯れ葉 丸めた紙屑
全部要らなくてひっくりかえしたら砂が零れた
指先をざらつかせた砂は、捨てても減らない
今私のポケットには
砂ぼこりばかりのこっている
あめ玉も、財布も、はなびらもない
夢と理想と希望を何処に捨てたのか
私は何も持っていない
ひっくり返されたままのポケット
私はもうずっと横たわっている
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