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あたりは真っ暗だった。
どこだろう?ここは…
いつの間に、こんな所に来てしまったのか。
周りを見渡しても、どこも黒い空間が広がっているだけ。
思い出そうとしても、何も浮かんでこない。
『………………ぃ…』
ふっと後ろを振りかえる。
声が聞こえた気がしたのだが、やはり真っ暗で何も見えない。
『……し…………ぃ……』
さっと、身をひるがえす。
今度はさっきと反対の方から、聞こえた。
だれか…いる?
一人ではない安心感とともに、何だか分からない物への不安も襲ってきた。
だんだんと聞こえる声が、近くになってくる。
それと同時に、四方八方から声が聞こえてくる。
なに?…何がいるの?
……早くここから出して。助けてっ
緊張がピークに達した時、真後ろから、ハッキリとした声が聞こえた。
『あなたは幽霊になりたいですか?』
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