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すっ……と自分の体が浮いたような感覚がした。
何が起こったか分からない俺の前で、ランやアキラ達が目を丸くしている。
「……や、やったー!」
突然歓声があがり、驚くとすぐに元に戻ってしまった。
だが……どうやら成功したようだ。
「やったね!メガネ~」
「第一歩だねぃ~」
「ナムアミダブツ……」
「透明にはなれたねぇ!」
いや、今1人違うこと言ってたよな?
まぁ、良いだろう。
とりあえず、出来たんだから。
「え~……あ、あとは定着ですね………間に合いそうで良かった……で…す」
ウィル先生が足元にいる子どもに笑いかける。
おっ!天使のほほ笑み。
そんなことを考えていると、足に軽く衝撃をうける。
か細い白い腕で俺の足を抱いている、小さなガキ。
こんなガキと同級生になるとは、生きてるうちは思わなかったな。
「やったね!メガネのお兄ちゃん」
「…おう」
無垢な瞳で俺を見つめ、にっこりと笑う。
なんで俺に、こんなに懐いてるんだろう。
思わずため息が出る。
「一緒に現世に行こうね!」
こいつの世話係になんで俺が選ばれたんだろう。
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