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先生に言われた席は、変な位置にあった。
ぼくの席だけ、机がくっついて両側に隣がいる。
他の席は間が一つ空いてるのに……変なの~。
「えっと……ユウ君の教科書は……まだ……ですので、見せてあげて…くだ…さい」
ぼくが席に着くと、先生の言葉を聞き、隣のお姉さんが教科書を机の間に置いてくれた。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
お礼を言うと、お姉さんはにっこり笑って答えてくれた。
そういうわけで、ぼくはこんな席なんだな。納得。
「で、では………授業に入りま……す」
教科書を開き、先生は黒板にいろんな漢字を書き始めた。
……………………。
……………………?
……………????
なんだか全然分からない。
これ、なんて読むんだろう?
あれ?今、教科書のどこをやってるんだ?
助けを求めようとお姉さんを見たが……。
目を見開いて黒板を睨み、ぼく以上に必死になってる!?
どうしよう?
慣れないことはしなきゃ良かった。
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