~3時間目~

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「どこが分からない?」 「……え?」 教科書から顔を上げると、メガネのお兄さんが、ぼくを見ていた。 白くて細長い顔に、大きな眼鏡が不釣り合いだった。 「えっと……大丈夫です」 「大丈夫なわけないだろう。あれだけ頭を抱えて……」 「で、でも、授業が進んでますよ」 「そうか」 こそこそと話している間も、授業は問題なく進んでいた。 これは……本格的についていけなさそうだ。 そんなことを考えていると、隣の席から手が挙がった。 「ウィル先生。この子がついていけないようなので、個別に俺が見てて良いですか?」 「あっ、え~……はい。……よろしくお願い……しま……す」 先生がお兄さんに頭を下げると、お兄さんはぼくに向かい合った。 「メガネ、やっさし~ぃ」 「うるさい。ちゃんと勉強しろ」 赤い髪のお兄さんが、ちゃちゃを入れるが気にした様子もない。 ブツブツと文句を言いながら、再び赤い髪のお兄さんは黒板を見つめる。 「ほら、教科書を見ろ」 「あっ、はい」 お兄さんに注意をされて、あわてて教科書を見る。 その表情はまったく変わらない。 う~、このお兄さんも恐そうだなぁ。 最初から、このクラスが不安になってきた。
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