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「あ、あの……」
「じゃあ、順番に説明していくぞ」
「え、えっと……」
「三原則。原則は決まりのことだ。約束、ルールで分かるか?」
「あっ!あのっ!」
思っていたより、大きな声で自分でも驚き、思わず口を手でおさえる。
ぼくが変なことをしていても、お兄さんはじっとぼくを見つめている。
「どうした?」
「……あの、これだとお兄さんが授業受けられないですよね」
「問題ない。授業内容は全部分かっている」
「でも、ご迷惑ですよね」
「そんなことはない」
そこまで言われてしまうと、断る理由はないけど。
やっぱりぼくだけのために、手間を掛けさせるのは、悪いよ。
「でも……でも……」
「遠慮するな、クラスメイトだぞ」
そう言って、メガネのお兄さんが、ぼくの頭をポンッとたたいた。
下を向いていた顔をあげると、軽く笑っているお兄さんと目があう。
……………………
しばらく見ていると、急にお兄さんは目を見開いた。
手のやり場に困りながら、慌てている。
「お、おい?」
「え?」
ぼくは訳が分からなかったが、クラス全体が騒めき始める。
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