~3時間目~

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「あぁー!メガネが転入生、泣かした~」 赤い髪のお兄さんが、そう叫びながら指を差す。 ぼくが……泣いてる? そっと顔に手をつけ確認する。 眼から流れた涙が、頬をぬらしていた。 泣いてることに気付くと、眼が熱くなり、涙が止まらなくなる。 「何したっ!メガネー!」 そう言ったお姉さんの姿は、視界がぼやけて見えなかった。 「何もしてないっ!」 「メガネ、頭たたいた~。うさは見たんだからっ!」 「……うっ…………うぅ~……」 涙がこみあげてきて、言葉にならない。 「こんなに泣かしてぇ。何したんだ、メガネ~?」 ちがう。 ちがう。 「軽くたたいただけだぞ!?」 ぼくは嬉しかったんだ。 クラスメイトが。 甘えさせてくれる人が。 子どもでいて、良いことが。 伝えたいけど、体が言うことを聞いてくれない。 口からは泣き声しか出てこない。 「あ……の?……ユウ君…大丈夫で……すか?」 「ほれ。これで顔拭かねぇか、坊主」 泣きながら、おばあちゃんから受け取ったハンカチは、なんだか暖かかった。
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