~3時間目~

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「悪かったな……痛かったか?」 お兄さんに謝られ、ぼくは必死に首を振って否定する。 言葉にならなくても、伝えなくちゃ。 すると、頭に軽く重みがかかる。 顔を上げると、メガネのお兄さんが優しく頭を撫でてくれていた。 「ごめんな」 「うっ……うっ……」 お兄さんの手のひらが、ぼくの髪を揺らす。 胸から込み上がってくるものを、ぼくは押さえられなかった。 「………ぅわぁーん!!」 大きな声を出して、泣きじゃくった。 「よし、よし。大丈夫だよ」 「恐かったね~、メガネが」 抱き締めてくれた、お姉さん。 助けてくれた、兎さん。 「メガネのいじめっ子~!」 「ほれ、顔拭かんか」 「えっと………あの……………」 明るい、赤い髪のお兄さん。 ハンカチをくれた、おばあさん。 頼りないけど、優しい先生。 「だから、悪かったって……」 冷たく見えるけど、暖かいメガネのお兄さん。 嬉しい。 今は、言葉に出来ないけど。 しばらく、ぼくの涙は止まらなかった。
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