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ユウが卒業試験に合格した次の日、俺はウィル先生に呼び出された。
「あっ……メガネ君……ありが…とう。座ってく……だ…さい」
「はい。で、話って何ですか?」
休みの日の教員室。
他の人の姿もなく、先生もTシャツにジーパンというカジュアルな格好だった。
「えー……これのこと……なんで…す」
先生は俺に、一枚のプリントを差し出した。
そのプリントには、幽霊として現世に行く条件が書いてある。
俺たちが、いつまでもクリアできない条件が……。
しかし、これが何なんだ?
「これが、どうかしたんですか?」
「は……8番目を……読んでください」
「……はぁ?」
先生の言葉に頷き、もう一度プリントに眼を移す。
8)10歳未満の者は、付き添いをつけなければ、現世に行くことを禁ずる。
付き添い者は、現世にいる間は透明でいることを、命ずる。
……付き添い?
俺がプリントから顔を上げると、先生は気まずそうに口を開いた。
「あ、あ……君にユウ君の付き添い……を…頼みたい…んです」
「へ?」
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