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「俺のばぁちゃん一年前くらいに亡くなったんだけど、俺ばぁちゃんっ子だったからさ、今だに忘れられなくってよくここら辺散歩したりしてるんだ」
岬修一郎は一人で永遠としゃべり続ける。
「あ、もしかしたら昔俺たち会ったことあったかもな!…なんて、そんな偶然なんかありはしないよな」
「…」
まだしゃべり続けるつもりだろうか。
「佐伯さんって少し人と違うよな。なんていうかな…。わざと人を寄せつけない感じ。でも、俺には通じないよ。なんか…昔の俺と似てるし…」
そう言った岬修一郎は遠い目をしていた。
「似てなんかいないよ。岬くんはみんなと仲がよくって明るいじゃない。…私はその逆よ、全然違う」
「やっとしゃべってくれた。…似てるよ、これは本当に」
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