はじまり

3/8
前へ
/609ページ
次へ
寒い寒い一月の下旬、俺と哲也、正樹、省吾、理香、留美の六人である流行りの遊びをしようとしてた。 「ねぇねぇ、携帯鬼ごっこって知ってる?」 嬉しそうに理香が正樹に話しかける。 「は?なんだよソレ?ガキじゃねーし!」 正樹はいつもこんな感じだ。クールに決めるのが好きかどうかは知らないが、たいていはクールぶってる俺の1番の親友だ。 「ガキじゃないし!!んと、チームを組んで携帯を使いながら鬼ごっこするんだって! ほら、場所とか教えあいながら鬼から逃げるの! めちゃ楽しそうじゃない?」 「おっ、いいねぇ!楽しそーじゃん♪やろ!やろ!」 後ろで他事やってたはずの省吾が絡んできた。 省吾は昔から、何かと誘いには乗ってくれる、いい奴だ。ギャル男ではないが、見た目がかなりギャル男っぽく、よくギャルにもてる羨ましい奴だった。 「じゃあ、省吾は決まりね♪」 理香の嬉しそうな声が響いた。
/609ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9975人が本棚に入れています
本棚に追加