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「はぁ・・・あの方への想いどうすれば届くんでしょう」
朝飯時に慎二が気色悪い事を言う。
「どう思います?」
しかも、こいつは今だに幽霊さんが幽霊さんだと気づいていない。
「まぁ、誠意を持って接すればいいんじゃね?」
適当な事言っとけばなんとかなるだろう。俺は味噌汁を口に含む。
この味噌汁、レトルトだが俺的に好きな味だ。
「例えばこの味噌汁・・・僕と彼女がつがいになればちゃんとしたものが食べれるんですよ!」
ブフォオウ
俺は盛大に味噌汁を吹き出した。
「なにをするんですか?!汚いじゃないですか!」
「ゴホッ、ゴホッ・・・なんだ、お前のなかじゃそこまで話が進んでるのか?」
「いえ、もちろん結婚を前提としたお付きあいをした上での考えですよ」
こいつ・・・リアルな話、俺よりアフォじゃないのか?
そうだ。双子なのだから遺伝子は同じ。先天的な優劣は無いだろう。育った環境もかわらない。
一見こいつは頭がいいように見えるが勉学的な成績は拮抗している。
そしてこいつは幽霊を人間と思い込み、あまつさえ淡い恋心を抱くばかりか結婚まで考えてやがる。
よし、こいつは俺よりアフォだ。
「ま、頑張りな・・・」
アフォなりにな・・・
「やっぱり、どうおもいますか?」
「だから誠意を持ってだな?」
「そうじゃなくて行動ですよ。これからどう行動すべきかですよ!」
実体のない幽霊さんに行動と言ってもなぁ・・・
「なんか贈り物でもしたらどうだ?」
無難な事を言っておこうか。
「贈り物・・・ですか・・・」
ふむと考えこむ慎二。
とまぁこんな感じで朝は過ぎていく。
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