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それからは俺がよく進藤にちょっかいかけたり、色々誘ったりしたけど相変わらず無口でそっけない
だけど根はいいやつだと俺は分かっているからそれでよかった
そんな学校生活をして3ヶ月後…
「残念な知らせだが…進藤が転校することになった」
クラスがざわつく中、俺は目を見開いて進藤を見た
進藤が俺に初めて見せる悲しい顔
進藤は立ち上がり、前に出る
「短い間だったけど…本当にありがとうございました」
とみんなに深く一礼した
………………………
「…とまぁこんな感じかな」
「またすぐに転校しちゃったんだねー、寂しいね」
「せっかくこれからって時だったからなー。まあ念願叶って再会出来たしこれからは…っておい!進藤?人の話聞いてた!?」
再び読書に没頭している進藤
「おー!龍一くんクールだね」
「…今更そんな昔話しないでよ…恥ずかしいだろ」
と言い、メガネをくいっと上げる
「なぁ!もう転校しないよな?」
「…分かんない」
「…何かお前…前より愛想悪くなったな」
「…お前言うな」
「え…あ……じゃあ…龍一…?」
「………」
ガタンと立ち上がる進藤
そしてスタスタと廊下の方へ歩き出す
「えっ…ちょっ、進藤!?」
「あーあ、怒らせちゃったー」
「……てか何でさくは名前呼び良くて俺はダメなんだよー!!」
「………」
立ち止まる進藤
「……別に誰にもダメとは言ってない…」
「……へ?」
再びスタスタと歩き出す進藤
「おっ、おぉー!?」
何やら嬉しそうなさくと
「…っよっしゃああぁ!」
と叫ぶ俺
今更だけどどうしてこんなに進藤につっかかってしまうのか、正直分からない
「これでちゃんとした友達になれたね!はじめちゃん!」
そうか…
俺はただ純粋に友達になりたかっただけで…
今までの人生では、みんな寄ってたかっていつの間にか出来たものだったから、こうやって自ら動いて友達作るなんてこと全くなかったんだ…
「はじめちゃんにやけすぎ~!」
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