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シェイドは木のかげから、けもの道をのぞき見た。
人間の目には見通せない闇だ。
だが、彼にとっては、目をこらせば、何てことはない。
手には白刃の長い剣。
刀身には、細いキズが走っている。
──戦いの最中についたキズだろうか──
その剣は、
鎧をたたき切るほどの強靭な武器だ。
フクロウが静寂をやぶって高く鳴いた。
シェイドが
「シッ」
と制すると、アーガルたちは身をすくめ、
ぴたりと凍りついた。
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