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数時間が流れても、
シェイドはいらだちをこらえて待った……
……そのとき、
興奮でシェイドのうすい唇がゆがんだ。
「…来たぞ」
シェイドはおさえた声でいった。
アーガルは目をぎらりと光らせ、
武器をにぎり直した。
向こうの道で、
なにか音がした。
三頭の白馬がこちらにむかって歩いてくる。
三頭の白馬の上には、一人づつ人が乗っている
いや……
人じゃない……
……エルフだ。
ふたりのあいだを進む女エルフは、あたりを見まわしている。
質素な衣装をまとっていても、
その美貌はすこしもそこなわれていない。
わきには剣を差し、
背に長弓と矢筒をかついでいる。
彼女はなぜか、
ひざの上の巾着に何度も
─そこにあることを確かめるように─
目を走らせている。
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