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エルフのひとりが
彼女に小声でなにか
話しかけている。
シェイドにはその中身までは聞きとれない。
兜をかぶったエルフが先頭に立ち、槍をかまえた。
やがて彼らはシェイドらの待つ場所まできた。
なんの疑いもなく、
数人のアーガルがひそむ藪を通りすぎた。
風向きが変わった。
アーガルの悪臭がエルフのほうへふき流された。
エルフたちはアーガルたちの存在に気づいた。
エルフたちは身をかたくした。
左右にあわただしく視線を走らせると、馬をまわして
一気に駆けだした。
女エルフの馬は残りの二人を引きはなし、
強烈な速さで駆けていく。
アーガルたちがいっせいに立ちあがり、黒い矢を放ちだした。
シェイドは木かげから飛び出し、右手をかざして声をあげた。
「ガージラー!」
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