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「どうだ?」
悪魔が問う。
天使の腕に包まれて、話に聞きいっていた。
「お前は、この話を聞いて何を思う?月に同情するなんて、愚かだと思ったか?騙されるなんて、馬鹿だと思うか?」
「ううん。そんなこと、思わない。優しい子で、同じように寂しがってた子なんだなって思うよ」
天使と悪魔は、どんな感想が聞けるのか興味があるようだ。
「すごく綺麗なお話だと思う。彼女は、それで幸せだったんじゃないかなって。どれが幸せで不幸かなんて、分かんないけど」
天使は、その感想を聞き満足そうに頭を撫でる。
「よくできました」
天使は、子を横抱きに抱え上げる。
そして、そっとベットの上へ横たえた。
「今日はもう遅いからお休み」
「明日の夜も、来てくれるの?」
悪魔が布団をかける。
「ああ、明日も来てやろう……お前がそれを、望むのならば」
悪魔は窓から飛び立った。
「約束だよ!!」
まるで、声に答えるかのように、黒い翼が大きく風を巻き起こす。
「君がいい夢を見れますように……お休み」
「……おやすみなさい」
天使は、にこりと微笑むと窓を閉めながら出て行った。
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