飼い犬

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大きな白いドア。 その大きなドアを開けると、頭を深々と下げた浚がいた。 「お待ちしていました」 すっと頭を上げると、にこりと笑った。 杏はさっと部屋に入り、部屋の真ん中にある大きな椅子に座った。 「浚、もう下がっていいぞ」 「畏まりました」 浚は、すっと頭を下げると静かにドアを開け出て行った。 バタンとドアが閉まった。 浚は、ハアと息を吐き出した。 「ーーーーー悠」 そしてギュッと唇を噛んだ。
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