飼い犬

75/80
前へ
/84ページ
次へ
悠は、杏の前で立ち止まった。 「ーーーーーっつ」 椅子に座った杏は、にやりと笑いながら悠を見つめていた。 「早くしろよ」 「ーーーーっつ、やっぱり無理」 しかし、グッと腕を引っ張られそのまま倒れ込んだ。 杏の膝の間にすっぽりと収まと、後ろからグッと強く抱きしめられた。 「いい加減俺の飼い犬って認めろ」 耳元で、静かに甘く囁いた。 吐息がかかって少しくすぐったい。 「絶対……嫌」 悠は、戒めるように唇をギュッと噛みしめた。 「ふーん」 杏は悠の首につーっと舌を這わせ、首輪の下に吸い付いた。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

749人が本棚に入れています
本棚に追加