飼い犬

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杏は、そのままワイシャツのボタンに手をかけた。 「飼い犬になるんだったらこの続きしてやるよ。ーーーーどうせお前も俺の飼い犬になりたくて特待生になったんだろ?」 悠は、この言葉を聞いた瞬間杏の手を振り払うと立ち上がった。 「バカにしないで!」 鋭い瞳で杏を睨みつけた。 「暇つぶしだか何だか知らないけど、他の人と一緒にしないで。 私は飼い犬になる為に特待生になったんじゃない。私はあんたなんか好きにならない!あんたの飼い犬になんてなりたくない!」 杏は、クスリと笑った。 「………じゃあ、首輪を外すチャンスをやるよ」 「え?」 「俺の事を惚れさせてみろ」 杏は、にやりと笑うと立ち上がり悠に近づいた。 「俺がお前を好きになったら首輪を外してやる。ーーーーーーただし、お前が俺の事を好きになったら一生俺の飼い犬だ」 悠は、じっと杏を見つめた。 「ーーーー絶対あんたなんか好きにならない」
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