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半ば強引に幸田と呼ばれていた女の手を引っ張って中庭に連れて行くと、いきなりガバっとお辞儀をされた。
「ごめんなさいっ!!」
「貴方が俺の上に墜ちて来たおかげで、足が痛い。ってゆーか身体全身が痛い」
なおもごめんなさいと謝る幸田の言葉を遮って俺は言う。
「今日から俺の下僕決定」
「え…?」
幸田は訳が解らないといった表情で俺を見ている。
…当たり前だな。
断ろうとする幸田に、わざとらしく言ってみる。
「足が痛いなぁ…」
「腕も痛いなぁ…」
少し反応を伺おうと顔を見ようとしたら、辺りに叫び声が響いた。
「わかったわよ!!下僕でもなんでもなってやるわぁ!!」
内心、こんなに簡単に行くとは思ってなかったが…。
「よろしくね。幸田香織」
こうして、愁の俺様生活が幕をあけた。
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