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優希の家庭は複雑らしく、
あいつはずっと家に戻っていないらしい。
家族からも何の連絡もないと、優希は普通に笑って言った。
「私は要らない子だから。」
そんな優希の言葉が、僕の頭から離れない。
優希の強がりだと僕は勝手に思ってたけど、どうやらそうでもないらしい。
あいつの両親は単に放任主義者ではなく、
優希の親であることを、完全放棄していたのだ。
物心がついた頃から、
あいつは親に捨てられていたんだ。
優希に兄弟はなく、
一人っ子のあいつは…、
寂しい時もずっと1人で、
寂しいと言うことさえも出来ず…、
耐え苦しんでいたんだろうと僕は今、感じている。
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