蒼い胡蝶

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ある日の午後…。 その日、朝からアンナは、体調が悪いらしくトイレにばかり行っていた。 顔色も悪く、給食もあまり進んでいなかった。 そんなことはお構いなしに、周りでワイワイ騒ぎ立てる。 「アンナは本当に可愛い名前だねぇ。」 「可愛いのは名前だけじゃん。」 アンナの背中をシャープペンの先でつついたり、消しゴムのくずを頭の上からかけたり…。 今思えば本当に可哀想にと僕は思うが、あの頃は止めてあげることが出来なかった。 誰もが見て見ぬふりをしてた。 誰もが笑ってた。
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