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ずっと一緒にいた彼女は、僕より先に大人になった。慰めあうことはなくなって、いつからか二人の悩みは分かれていった。僕らの闇は異なった。
二人は、一人と独りになった。
独りになった僕は孤独を知った。彼女がいたから独りじゃなかったのに、彼女はいない。
今、僕は独り。
彼女は先へいってしまった。僕を置いて、いってしまった。
ずっと一緒にいることは無理だと、そんなのずっと昔に気付いていて、ずっと気付いてないふりしてた。そうやって、ずっと一緒にいれるって信じたかった。
彼女は前だけを向いて僕に笑いかける。その度僕は切なくなる。
彼女は僕の手の届かないとこから、こっちへおいでと手を伸ばす。
あの頃の君はそんな風に前を見ることはしなかった。大人になること拒んでたのに。
変わってしまった。
僕だけが過去に捕われてる。もう二度と戻ってこないのに、未だに前を見ようとはしない追憶者。過去の囚われ人。
過去のまま彼女を待つ心が、大人になること拒否してる。独りでいること望んでる。
望んだはずなのに、孤独は僕を傷つける。二人を知っている心に、独りは寂しすぎるから。
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