始まった喜劇と終わった悲劇

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   今でこそ猫に付き合わされているけど、これでも前は普通の日々だった……。  いや、そこそこ普通の日々を送っていたんだよ。  普通じゃない点としては学校に居づらくなるような事があった位で。  初めて猫に会った日も、学校に行ったら上履きが切られて捨てられてたアンド机が解体されてたから、一気にやる気が無くなって帰っていた。 「あー……。自転車は無事で良かった。これまで解体されてたらどうしようかと思ってたよ」  自転車を押しながら、俺は呟く。  独り言か……。寂しいな……。  急ぐ理由も無い俺は、自転車に乗らず押し続ける。そんな俺の前に、黒い何かが降りて来た。 「ふにゃ」  ……黒猫? うわ不吉なの見たな。    
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