序章

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僕は夢をみた。 それは不思議な夢だった。 真っ暗な森を赤いスカートをはいた女の子が走っていて、僕はそれを追いかけている。 女の子は距離をおくたびに確認するかのように後ろを振り返り、不適に笑い走り続ける。それが不思議なことにいっこうに距離が縮まらないのだ。 僕はもーすぐ17だし、それほど背が小さい訳でも無いし。 足のリーチは確実に僕のがあるはずなのに。夢だからなのだろうか。 そして、女の子は突然走ることをやめて僕を手招き、どこかを指さした。 そこは僕の最初に読んだ本に出てくるアリスの家だった。 女の子は兎の代わりといったところだろうか。 僕は女の子に誘われるがままにアリスの家の中にふみこんだ。
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