序章

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『アリス変奏曲第1番かぁ...』 表紙には訳のわからない、見たこともない文字が並んでいる。 それでもなぜか自然と読めた。 椅子に座り、ペラペラとページを開く。 中表紙に見開きの地図が載っていた。きっとここの世界の地図だろう。 アリスは目の前の椅子に座り本を覗きこむ。 顔が近い...。 髪のいい香りがする。 自分の顔や体が熱くなって鼓動の高なりを感じる。 アリスはページを目次へと開いた。 「えーっとジキルのことが書いてあるのは...ここですわ」   そこにはひとつの 物語りが綴られていた。 「この時代の文章は古くて私は読めませんの。おじいさまがおおまかに私に言い聞かせてくれた話でして。」 アリスは申し訳ない顔をして話を続ける。 でも、僕は自分自身に正直驚いていた。 その文章を何故だか読めたのだ。 タイトルから何もかも全て読める。 「」
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