まずは挨拶致します

31/36
前へ
/187ページ
次へ
    「るさい!とにかく 謝れ、バカヤロー!」   半分涙目になりながら 男の胸倉を掴む。   数秒して男が口を開いた。   「…ふーん…性格はアレだが 顔はまあまあだな…」   出てきたのは 思いもがけない台詞。   「…気に入った。」   「は?」   なんのこと?   私が男から 離そうとした手を男は ガシッと掴んだ。   「ぎゃあああ!?」   反射的に男を殴る。 しかし軽々とその手も 捕まえられた。   てっ…抵抗できない…   自分の顔がどんどん 歪んでいくのが分かった。   それに気付いたのか   「本当面白いな、お前。」   男はハハハッと爽やかに笑う。 そして私のポケットから 勝手に生徒手帳を取り出した。   「ふーん…十乃女 香杞か… よし、十乃女。」   そして彼は 私の名前を呼ぶ。   「うっ…はっ…はい!」   いきなり名前を呼ばれて 私はとっさに返事をした。   男は私の顔をまじまじと見て 大きな笑顔みせると一言。  
/187ページ

最初のコメントを投稿しよう!

681人が本棚に入れています
本棚に追加