居残り決定罰ゲーム

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      ガラッと勢いよく クラスの戸を開けると、 私は自分の席に座った。   「今日は遅刻しなかった!」   うきうきしながら 机の中に教科書を 入れていると、   「今日は一段と 元気だな、香杞。」   泰地が私の目の前に座る。 そして私に向かって 指を指した。   「てかさっき李夜から 聞いたぜ、昨日の転任 してきた奴ってお前が ぶつかったっていう 例の相手なんだって?」   「は!?」   さっき来たばかりなのに 李夜の奴…口が早いから困る。   「なんでも告られたとか?」   「い!?」   胸がドキンと 張り裂けそうになった。   にやにや笑いながら 言う泰地にいらついて 私は目を吊り上げると 泰地の頬をこれでもかと 力強く引っ張った。   「誰にも言うなよゴルァ!!」   声を低くしながら 泰地を脅す。   泰地は涙を目に浮かべながら   「いひゃい!いひゃい! いわひゃいからはなひて!」   と、必死に言うので、 何を言っているのか 正直分からないが、   「約束だからねっ」   と、私は泰地の頬から 手を離してあげた。    
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