第一章 終わり

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 ちーん。  しんみりとした空気が包み込む部屋は、一定のテンポで奏でられる木魚の音と、お坊さんの喉から発せられる洗練されたお経、それに参列者のすすり泣く声で満たされていた。  それらを一人の少年はただ呆然と聞いていた。  しかしこの少年、周りとちょっと違う。  服は見慣れない白い着物で、頭にはこれまた白い三角の布が当ててある。  そしてなにより彼には足がなかった。 「あの~、大丈夫ですか?」  そう言ったのは青いショートヘヤーの可憐な少女で、白く細い華奢な手には、黒く、嫌でも重量感を感じさせる巨大な鎌が握られていた。 「『アクア』さん……だっけ?」  足の無い少年は目の端に涙をためながら青い髪の少女の方を向いた。  アクアと呼ばれた少女はビクッとしながらギュッと鎌を握り直した。 「は、はい! そうです。アクアです。アクア=フィリアスと申します!」  ペコペコと何度もお辞儀しながらアクアが言った。 「うん、そだね。アクアさん……うんうん」  カクカクと機械のようにうなずきながら少年は突然笑いだした。 「ひぃいい! ケンイチさんがまた壊れた!」
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