分からない世界

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分からない世界

生きる為の闘い。   看護師さんに案内され病棟に。   主治医と初対面。   そして会議室の様な場所に入り今の状態、白血病の事、治療方針、予想される副作用を聞いた。   今の状態は骨髄の70~80%が白血病細胞(がんに変化した血液細胞)に侵されていて正常な血液が造られていない。   危険な状態。   治療は24時間1週間、休まず抗がん剤を体に流し続ける。   副作用は骨髄抑制、消化管障害、粘膜障害、肺毒性、心毒性、肝毒性、腎毒性、神経毒性、脱毛および皮膚毒性。   こんな事を言われても俺には何がなんだか分からない。   ようは熱が出る、嘔気・嘔吐、不整脈、血球減少、口内炎、下痢、脱毛。   もう思考回路は停止寸前。   治療の前に、もう一度マルク。   抗がん剤を流す為のIVH(中心静脈カテーテル)管を鎖骨の下、太い静脈に埋め込む。   IVHを入れた後は、ちゃんと入ってるか確認する為にレントゲン撮影。   今回の部屋は個室。   広さは約6畳。   壁は薄いピンク色。   電動ベッド、テレビ、洗面台、トイレ。   休む間もなく治療に入る。   抗がん剤が体に流れ込む。   熱は40℃をこえた。   意識は朦朧。   朝?昼?夜? 時間は?   何もかもが分からない世界。   夢を見てるの?   生きてるの?   無機質な機械の音、抗がん剤は流れ続ける。
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