不治の病

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不治の病

限界を感じた俺は近所の小さな内科クリニックに行った。   総合病院はこんでるし時間がかかると思ったからだ。   さすが小さなクリニックだけあって呼ばれるのも早い。   俺は風邪だと思ってたから薬を貰って終了だろうと考えてた。   先生が、風邪で何週間も高熱が続くのはおかしい。   それに咳もひどいので血液検査とレントゲン撮影をする事に。   しばらく待合室で待って、やっと呼ばれた。   何だか先生が神妙な顔をしてる。   そして話しだした。   先生『ヨッシーさん、驚かないで聞いて下さい。』   えっ!?何この雰囲気は…   まるで悪い病気を告知するみたいな状況…   俺『先生、俺はただの風邪ですよね?』   先生『はっきりした事は言えませんが白血病の疑いがあります。』   俺『白血病?白血病って…』   先生は血液検査の結果を見せてくれた。   そこにはWBCだのRBCだのPLTだの意味不明の英字と数字が沢山並んでいる。   それを子供に教えるように一つ一つ詳しく説明してくれた。   先生『以下の事から白血病の疑いがあります、咳は何らかの感染症、気管支炎です。』   俺はわけが分からなかった。   白血病?白血病って何だ?   白血病って不治の病?   俺『先生、俺は死ぬんですか?』   何を聞いてるんだ。   聞かれた先生も困っただろう。   先生『ヨッシーさん、今は白血病も治る病気です。』   白血病を詳しく検査するには骨髄検査をしなきゃいけないらしい。   小さなクリニックじゃ出来ないので総合病院に行く事に。   先生が検査結果と紹介状を書いてくれた。   この日は金曜だったので月曜に総合病院に行く事に。   先生『ヨッシーさん、絶対に治りますから諦めないで下さい。』   わざわざ玄関まで見送ってくれ、励ましてくれた。   俺は気が動転してどうやって家まで帰ったのか覚えてない。
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