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女性の顔は、よく覚えていない。
ただ、透き通ったようなさわやかな声だけが耳に残っている。
また会うことはあるのだろうか。
会った時、俺はどういう態度をとればいいのだろう。
そんなことを考えているうちにバス停へ着いた。
ここから私鉄の駅までは十分ほどかかる。
電車に乗り換えてからは三十分。
駅から会社までは徒歩五分だ。
会社に着くまでの間、俺は、玲子のことを考えまいと努力している自分に気付いた。
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