玲子とレイコ

雨の日

19時35分。
つい先ほどから雨が降り出した。
Ｇ駅に電車が到着する。

Ｇ駅は、新興住宅地から少し離れたところにある。
住宅街に行くバスも出ているが、本数が少ないため、車で迎えにきてもらう人が多い。

駅の改札を抜けると停車場があり、その前を過ぎてさらに歩くとバス乗り場がある。

乗り場には人がほとんどいなかった。

バスの出発まではまだ少し時間があるため、締まりかけた売店で新聞を買うオヤジ、喫煙所で煙草を吸うサラリーマン、携帯で誰かと話し始める女子高生などがいた。

そして俺は。。
何をするでもなく、乗り場の先頭に立ってぼんやりとしていた。