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今日から俺は独身だ。
何時に帰ろうが、どこへ行こうが自由だ。
稼いだ金は自分の好きに使えばいい。
誰を好きになったっていいし、誰かに好きになられてもいい。
しかし俺は、そんなことをしたくて離婚したわけではないのだ。
妻だった女性、玲子はよく出来た女性だった。
玲子とは大学のサークルで知り合った。
年齢は一つ下、聡明で美しく、スポーツ万能でサークルのマドンナ的存在だった。
玲子の周りにはいつも人が集まっていた。
誰もが玲子の支援者となり支持者となった。
そんな玲子と付き合い、結婚した俺は、みんなからうらやましがられたものだった。
それが今は。。
バスはまだ来ない。
俺は、バス乗り場を飛び出した。
100メートルほど先にあるコンビニへ行こうと思ったからだ。
乗り場の屋根から出た途端、雨がコートの上でぽとぽとと音を立てた。
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