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まず第一に椎名悟から聞いた事の整理をしなきゃ。
蘭越学園はとある銀行からの融資を請けて大きくなった。
その融資を出していたのはNA中央銀行。
NAといってもその銀行は本社とはあまり関係がなく大きく関わっているとしたらせいぜい本社の事業金の管理を任せているということくらい。
そこの銀行のトップは美濃紀羅(みのうきら)。
美濃は人付合いもよく椎名悟と上手くやっていたようだ。
半月前に遠野柚子香と椎名悟の息子椎名陸が婚約の挨拶に赴いて来たそうだ。
椎名悟は喜び二人の婚約を祝福した。
いつも融資を貰ってる銀行の本社の方として随分な接客をしたようだ。
ところが三日ほどして尚ちゃんが結婚はさせないと言ったみたいだ。
椎名家はもぅ結婚の準備を進めていたらしくひどく落胆した。
それだけならょかったのに尚ちゃんはこう言ったそう。
『勝手な勘違いで結婚の準備か…随分な家だな。こんなところに融資を出してるのかと思うと…全く』
あげくの果てには息子も馬鹿にされたと椎名悟は言っていた。
それで怒った椎名悟は
『なら融資などいらない』
って言っちゃったわけ💧
もぅ馬鹿みたい‼
子供でもこんな喧嘩しないょ‼それでホントに融資を止めちゃったわけ💧
さて
……わからない。
始めは蘭越学園の誰かが犯人だと思ってた。
けど誰にも無理なのだ。
融資をどこから請けていたかは理事長しか知らないようで校長と教頭に聞いても融資が止まったことさえ知らないと答えていた。
つまり蘭越学園は白。
なら本社かというとそれもなさそうなのだ。
だって取締役と社長、社長秘書は通用門を滅多に使わない。
だから誰が社長で誰が取締役かなんてわからないのだ。
現にここの会社の社長はあたしだけど会社員はそれを知らない。
あたしはただの女の子で社長は達彦がやっている
って事になってるから。
美濃紀羅に関してはなんとも言えない
けど動機がない
じゃぁ誰だ?
取締役の顔を知っていてNA中央銀行が蘭越学園に多大な融資をしていた事を知っている人間。
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