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「梨沙~!!!派手にやったね~!」
「渚ぁ...」
渚は小学校の時からの親友。梨沙の一番の理解者。
「あんなに殴っちゃって、直樹逆切れとかするかもよ~」
...確かに。まさかグーで殴っちゃうとは。
「でも元はといえば直樹が浮気ばっかするから!!!あれくらい当然だよ!!!」
渚も"確かに"って顔で納得した様子。
「しっかし、いいパンチだったね~(笑)」
!!!
そうだ!あの男!
「...さっき知らない男にも同じ事言われたよ」
渚が不思議そうな顔をした。
「こう...背が高くて、眼鏡かけてて、ヒョロ~ってした奴!!!」
渚はまだ不思議そうな顔のままだ。
「そんな人うちの学年にいたかな~??」
「でも上履きが青だったから2年には間違いないよ」
うちの高校は学年ごとに上履きとジャージの色が違う。だから無意識に足元を確認してしまう。
「格好良かった???」
渚はニタニタしてる。男の話となると目の色が変わるんだから...。
「嫌味な奴だった!!!」
渚、爆笑。梨沙は不機嫌だった。
その後もあの眼鏡男の嫌味な笑顔が頭から離れない。
"アンタ、いいパンチ持ってるね"
ムカつく!!!
結局、梨沙は下校時間までずっと不機嫌だった。
でも帰り際に、ますます不機嫌になるとは思ってもいなかった。
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