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太陽が顔を出す頃になると1日が始まる。
眠っていた人々が起きて活気づき、華やかさを取り戻して行く。
船の朝は早いんだ。
喧騒とざわめきが三等船室でも聞こえはじめた頃、『僕』もようやく目を覚す。
寝癖はそのままに、先ずは煙草へ火を付けて一服。
悪い習慣とは言え今更改めようとも思わない。
朝の空気に紫煙が混じり一日が始まる。
今日も、楽しい日になりそうだ。
身なりを整えて食堂室に向えば、食堂は既に満室。
船員船客が入り乱れて朝食を取り、だだっ広い筈のその場所に『僕』が入れる様な隙間は無い。
・・・・・暫く待てば空席も出来るだろうから、それまで朝の散歩と洒落込むか。
幸い巨大な帆船には興味を惹かれる物が多い。
良い時間つぶしになるだろう。
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