海の上の邑(むら)。

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相変わらず、どんな中身でも【ペタ】は美味い。海藻はコリコリした食感で適度な塩気、白身魚はモチモチ感が凄かった。 味はやっぱりスパイシィ。 カウンターに据えられた椅子に座りながら、『僕』は食事を楽しんだ。 やっぱり此処でもスープは付属で付いて来るらしい。 面白い事にスープの入った器は骨で出来ていた。店主曰わく、コレは鯨の背骨だそうで・・・。 器に使える程巨大な骨の生き物、か。 何時か見れる機会はあるのだろうか? どうやら近海にはウヨウヨいるらしいけど・・・。 ちなみに海藻入りスープは塩味だった。 こちらもまた、海藻独特の風味が味わえる良質な物。 さてと、お腹も膨れたし、また露天商を冷やかながら行こうかな。 歩きながら周りを良く見れば、鯨らしき生き物の描かれた看板をあちこちに見かけた。 本当に、この辺りでは当たり前に見かけて、当たり前に狩られる海獣らしい。 骨は器や小刀。頭からは鯨油を採って灯りになり、肉内臓は食したり保存食にして、皮は鞄なんかに加工される。身体が無駄無く使える、便利な生き物。 なんて面白い生き物だろう。 ・・・機会があれば見られるかな?image=402127954.jpg
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