モモコ

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それなのに。 可愛い筈なのに、どうして今日は客が来ないのだろう? 疑問は不安を生み出す。 飽きられてしまったのだろうか? それとも、私はまだ可愛くはないのだろうか? …あれ、よく見たらこの間直した二重の幅、左右対象じゃない。 そこから繋がる目頭だって、少しひだが残っている気もする。 …そうだ。 きっと、これのせいだ。 そう思った途端、震えが止まらなくなった。汗も止まらない。 早く、直さなきゃ。 でないと、ブサイクな私は目の前の生ゴミと同じ扱いに戻ってしまう。 綺麗な女。 特別な扱いをされて、沢山の客に指名されて… ああ、早く、早く、お直ししなきゃ…。 fin.
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