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004
日付:3月12日(日)
宛名:幸之助
件名:
本文:鬼を見た。一生帰れないかもしれない。昨日の通りこのメールに返信はしないで。
「あれ?13日がない?」
飛ばしたと思ってバックボタンを押すが13日のメールはない。
「ああ。その日はメールが来なかったの。このときはかなり心配したわ。」
「…鬼…。ゲーム…。」
柊はメールを読みながら考える。
005
日付:3月11日(土)
宛名:幸之助
件名:
本文:成森旅館は思った通りだ。僕は一時ここに留まるよ。このメールに返信はしないで。
006
日付:3月10日(金)
宛名:幸之助
件名:心配かけてごめんなさい。
本文:いま僕は成森旅館てとこにいます。お金は自費でやってます。だから心配しないでね。
「これ…。なんで返信したらいけないか分かりますか?」
「いや…返信したことないからどうとも。」
山恵の母の話を聞いて柊はニヤリと笑い慣れた手つきで親指を動かす。
「なにやってんだ?柊。」
「山恵にメールしてんだよ…。送信!」
「え?ちょ…。」
山恵の母は驚き柊からケイタイを取り上げる。
「心配しなくても大丈夫ですよ。」
柊は確信を持って言った。
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