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四日目
くだらない戯言に早く句切を付けたい。
「アッ・・・せんぱっ・・・ッア‼💥」
「・・・・・・」
「きもチッ・・・」
「聞き飽きたな」
「ハァッ・・・ハッァ・・・なっに?・・・‼‼‼‼ぁああぁぁあ‼‼‼」
ギッギッギッギッ錆びた音を出す理科室の机。
少し埃が溜まったビーカが夕暮れの空に反射した。
「ヤゥ・・・やっぁっ‼‼らめぇぇぇ‼‼‼‼💥💥💥」
「クッ・・・‼」
「先輩・・・三咲・・・また、先輩に会えますよね・・・?」
「・・・今日はもう遅い家の前まで送っていこう」
巽は三咲の言葉を聞き流すとネクタイを上までキュッと締めた。
携帯画面を見ようと開くが電源を切っているのか画面が黒く染まったままだ。
「・・・先輩・・・」
後ろを振り返るとスカートに少しシワがついたところを押さえる三咲が目につく。
夕暮れの光は左側から巽を照らす。
そしてゆっくり目をつぶり人呼吸置くと目を開け三咲を見る。
「おいで」
「巽様、巽様?」
「・・・あぁ、どうやらいつの間にか車の中で寝ていたらしいな・・・」
「・・・お食事は巽様の部屋に運ばせてもらいますのでその間はどうかお体をお休めくださいませ」
すまないな・・・とゆっくり巽が車から下りた。
空を見上げると月が丸の形を保っていた。
月が雲に覆われ巽は視線を戻す。
そして自分の部屋に足を進めた。
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