出会いは常に突然

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オレは言葉に詰まった。 (空想の魔物?だってこれは…) すると ピシッ!ピシピシッ――!!! 空が割れ 亀裂はドンドン大きくなってく。すると亀裂の中から大きな物体が落ちてきた。 ドォオオンッ 壊れる家屋。 逃げ惑う人。 「…アレが鬼…なのか?」 身体の色は血を想わす赤…。角が生えてて、全てが不気味だ。 突如、鬼と目が合う。 瞬間的に危険を悟ったオレは真澄の手を引いて逃げる。 「真澄!!逃げるぞっ!」 「う、うんっ!?」 ―――――《悠久ノ丘》 「ハァ…ハァハァ…ここまで来たら大丈…夫。」 「……はうぅ…。」 おもいっきり逃げたので二人とも息が乱れる。 しかし鬼も徐々にこちらに向かってきている。 「くそッ!!どうすれば?!王宮騎士団は何してんだ?!」 「…たぶん…。」 真澄が息を整えながら言う。 「たぶん、鬼は王宮騎士団でも倒せるかわからない…それくらいマズイ敵なの…。」 「??!それじゃあどうしようもないじゃないかっ!!」 「…うん、そうね…。」 「"そうね"って!!それじゃあ……お、オレ達…。」 ――聞きたくない。 ――この先を知りたくない。 しかし、現実は無情にも真実を告げる。 「――死ぬわ、確実に。」
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